deeplytruly diary

愛と音楽のある生活 ありのままの普段の暮らしを記録していくブログ

待ちわびた開花とランチ会議 オリンピック休戦のこと

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薄曇りで寒い朝だったが、うれしいことが2つあった。

一つは夫がお休みで朝のひと時をゆっくりベッドの中で過ごせたこと。目が覚めてから何時間もベッドの中にいることが、我が家ではよくある。もう一つは、なかなか咲かなくて悶々としていた我が家のデンマークカクタスのつぼみがようやく開いてくれたこと。

このデンマークカクタスはシャコバサボテンとも呼ばれていて、秋から冬にかけて花をさかせてくれるので寒い冬に華やかさを与えてくれる。去年買ったときにとても鮮やかなピンク色の花を咲かせていたのだが、開花時期のはずの秋になっても全く花がつく兆しがなく、内心焦っていた。もしかして咲いてくれないのではないかと。実際、春から秋にかけてベランダに出しっぱなしだったので、正直手をかけていたとは言い難いが、割と勢いのある育ち方をしていたので、きっと咲いてくれるだろうと甘く考えていた。

秋も深まってきたころにようやくつぼみをつけてくれたので、慌てて育て方をネットで調べてみたところ、寒い季節は屋内の日の当たる窓辺に置き、短日処理をしてあげることで花が咲くらしかった。また、思いのほかデリケートで、置き場所をちょこちょこ変えるのはよくないらしく、あまり動かさないというのがポイントらしい。

置き場所を定めて、夜はきちんと暗くして、暗い時間をきちんと作ってあげることで花が咲く。夫がいつもテレビや電気をつけっぱなしでリビングで寝落ちしてしまうので、私はよく「夜はちゃんとベッドで寝て!ちゃんと暗くして寝ないと疲れが取れないし…」と小言を言うのだけれど、なんとなくそれを思い出した。

夜はきちんと暗くして眠る。

つぼみがついてからも成長が本当にゆっくりで、まだかまだかと毎日眺めていた。つぼみがついてもポロっと落ちてしまうこともあるようなので、ひやひやしながら。だんだんつぼみが大きくなって、色合いもだんだん濃くなっていく、その成長の様子を見るのが日課になっていて、今朝2つ3つのつぼみが開きかけているのを発見してすぐ「見て見て!」と夫を呼んだ。なんでも分かちあいたいから、この喜びと興奮も押しつけがましく共有する。かなり大きなつぼみなので、全部開くのが楽しみ。なんでこんなに遅いのかしら、とぼやく私に夫が「あなたが育てているからね」と。

 

行きつけのレトロな喫茶店でランチをいただき、クリスマスと年末の過ごし方についての会議。このお店はBGMにクラシック音楽が流れているので、好き。例えば私が「あれ、これなんていう曲だっけ」と聞いたときに、夫が「これはあなたの好きなメンデルスゾーンのピアノトリオ1番の2楽章でしょう」みたいに答えてくれると、なんとも言えずうれしくなる。

休暇中にはくるみ割り人形を全部みてみたいとか、クリスマスには何を食べようとか、お正月には何を食べようとか、そんな会議をしながら、寒い冬の日の午後を過ごした。

 

夫について。優しいけど困ったとろこもたくさんある夫。でも私には一つひそかに心の支えというか心の中の最後の砦のように思っていることがある。それは「ほくろ」。何かというと、私と夫にはまったく同じ場所にある「ほくろ」がある。単なる偶然と言ってしまえばそれまでだが、あまりに同じ場所に同じように存在しているためにそれに気が付いたときに運命を感じざるを得なかった。まるでもともと一人の人間だったみたい。嵐のような日々の中で、もうおしまいだ、もう無理だと思うことも何度もあったが、結局今もこうして一緒にいる。どうしても離れられない。そんなことを繰り返す日々の中で、私はこの「ほくろ」のことを時々思い出す。心配になったときは、ちょっと見せて、と自分と夫のそれを見比べてそれが確かに存在することを確認したりもする。

時に起こる嵐があまりにも激しく戦争レベルな私たち。というか私。今日のランチの会議で話題になったのだが、世界には「オリンピック休戦」というものがあるらしい。オリンピックの期間中にいかなる戦争・紛争も停止するという国際的ルールということだ。なんてすばらしいのだろう。しかもこの聖なる休戦は紀元前8世紀には制定されたというのだから驚きだ。時々戦争の真っ最中に夫が「とりあえず休戦してご飯を一緒に食べよう」なんて言おうものなら、私はよけいに憤慨するのだが、もしかしてあなたやってるのはこういうこと?と聞いたら、うなずく夫。「僕がいつもやっていることでしょう」とのこと。

熱くなるととことん、な私は、死ぬ覚悟で前線に飛び出してなりふり構わず暴れまくるようなものだが、理性的に外交ができる人間になりたいので、この聖なる休戦という制度をぜひとも私の人生に取り入れたいと、真剣に夫に提案した。たとえばクリスマスを平和に過ごすために。夫はもちろん賛成してくれて、ついでに平和条約を締結しようという話に。近々詳細をつめて調印式をしよう、というところまで話進んだ。

 

これがわたしの今日の一日。

これを書いている間に、いつかプレゼントしてもらったストウブのなかでポトフができあがっているだろうと思うと、それもまたうれしい。